シナリオそのものがギミック

 ギミックという表現が独特なので自分的解釈をすると、シナリオにプレイヤーを面白がらせるための大掛かりな仕掛けは必要だろうか、ということになりますが。
 シナリオそのものがプレイヤーを面白がらせる仕掛けになる、というのは、古典的シナリオパターンだと思います。これは状況解決のゲームに分類されるのではなかろうか。ただし、演出のゲームでも、GMがプレイヤーを追い込むために仕掛けを仕組むことはあります。ありますが、演出のゲームに特化する場合、これもまた王道パターン(PCは大いに驚いているかもしれないが、プレイヤーは「あーよくあるよくある」で済ますような感じ)にした方が、演出が面白くて燃えるんじゃないかと思いますが。
 昔作ったとっても痛いダブクロのシナリオ「抹殺」から引いてみます。
 PC達は自分達が実験都市で実験をさせられているモルモットだということに気づく。真の自由、真の意思を求め、「管理者」達を打ち倒し、都市を離れたPC達は荒野の大地に去っていく。
 それ何てマトリックス?と質問の飛んできそうなシナリオではありますが、プレイヤーからはこういったものの方が受けが良かったりします。なんでかというと、プレイヤーは「ああどうせそんな話だと思ったよ。これだから最近の脳みその貧相なストーリーメーカーは困るね。まぁせっかくだから君の筋書きを格好よく演出してあげるよ」と思いっきり高みからGMを見下ろすことができるので非常に気持ちがいいからじゃないかと思ったり思わなかったり*1
 もうなんせ、昨今の状況では、悪役がヒロインをさらってヒーローが助けに行くところから、ヒロインが悪役に操られる、ヒロインが実は黒幕、ヒロインが悪役にぞっこんになって寝返る、ヒロインが悪役をかばう、ヒロインがヒーローを嘲笑する、とこの辺りまではごく普通の一般的パターンになっちゃってたりするので、よっぽど奇天烈なことやるか、周到に準備立てをしない限りセンス・オブ・ワンダーでPLを喜ばせるのは無理っぽくなってたりいます。なんつか。

*1:とはいえこんなシナリオはこれっきりにしましょう。それこそ一発芸ですからなぁ。